コロナ禍のおうち時間で「こんな夜中にバナナかよ」鑑賞。障害児親としての感想です♪

GWと言うのにコロナ禍のせいで外出自粛が続いてますが、みなさん、おうち時間はどうお過ごしでしょうか?

私は衣替えやったり、イラストの仕事したりとまぁまぁ充実してはいます。子供たち(特に上の娘)はめちゃくちゃ暇そうですけどね(笑)

ただいま、夫の実家が近居なので子供たちと夫は少しだけジジババのお家に遊びに行ってます。

 

実はこのおひとり様時間を使って久しぶりに家で映画を見ました。

契約しているHuluで新着配信された『こんな夜更けにバナナかよ』です。筋ジストロフィーと言う難病をもつ鹿野靖明さんをモデルに、大泉洋さん主演で2018年の冬に公開されたもの。

公開当時はあくちゃんを出産した年の年末と言うことで忙しく、完全スルーだったのですが、今回しっかり観れたので、感想も交えつつレビューしようと思います(*^^*)

 

あくママ
ネタバレNGの方はこちらで引き返してくださいませ~(^^)
●何か響く映画みたいな~でもあんまり重いの嫌だな~と言う障害児パパママ
●この映画が気になってる方

障害者をモデルにした映画の好き嫌い。お涙頂戴は嫌いなんだけど

いつか書いた24時間テレビに関する記事もそうなんですが、私は元々障害者をネタにしたお涙頂戴系の番組や映画は苦手です。

なんか作られたものに感じるというのに、まんまと泣いちゃうんですよね(^^;

絶対現実はこんなもんじゃないでしょうよとか思うし、無理矢理感動させられてる感と言うか。

 

しかし今回観た映画『こんな夜更けにバナナかよ』はあんまり(と言うか全然)そういう嫌な予感がしませんでした。

パッケージが良いからかな?大泉洋さんの持つキャラクターや空気感がそう感じさせてくれました。

ちなみに大泉洋さんの演技はもちろんのこと、高畑充希ちゃんの演技もすごく良かったです(*^^*)

筋ジストロフィーと言う病気のことは私は全然わからないので、いやいや介護の現実はこんなもんじゃないでしょ…と思ってしまうところは多いんですけど、全体的にはどんな人にも受け入れやすい映画かな?と思います。

障害者だからってわがままは聞いてもらって当たり前なのか…助けを借りる勇気とは

筋ジストロフィーと言う進行性の難病を持つ鹿野さん(大泉洋)。映画に描かれているのは34歳だったかな。12歳ごろに発症してしまい、映画ではもう首と手がわずかに動かせるだけというところまで病気が進行してしまっていました。診断された時は20歳まで生きられないと言われてたそうで、身体の障害は最重度です。

 

なので、映画の特に前半の精神的に元気な様子はすごいな~と思ったんですが。途中で「あ、そうか、筋肉が衰えていく病気だから、体の負担が重くなければメンタル面は結構ハツラツとしてるもんなのか」…と気づきました。まず鹿野さんが明るいポジティブな人って言うのが前提ですけどね。

そういう意味でも介護スタッフやボランティアさんに自分が快適になるための希望を伝えることは大事なこと。自分らしく生きるためには必要不可欠なんですね。

 

ただこれがちょっと横柄な感じに描かれてましてね(^^;

映画だからだろうけど、アレしてコレしてとまわりの人に指示する鹿野さんに対して、それはさすがにわがままでしょ~と突っ込みたくなる場面もあるんです。まぁ実際みさきちゃん(高畑充希)に突っ込まれてましたが(笑)

 

鹿野さんは、身の回りのお世話は24時間体制で介護スタッフやボランティアが行ってる状態でしたが、『重度の障害があっても自立する。現代の福祉のあり方に一石を投じる』という強い意志を持っていたので、ボランティアや介護スタッフに対等な立場で自分の希望は正直に伝えていたんです。

福祉サービスをお金を払って利用しているので、希望を伝えるのは当たり前と言えば当たり前なんですが、これはほとんどの人ができないだろうなと感じました。しかも映画の舞台は1994年だし。

特に介護職ってめちゃくちゃ大変なのに薄給って言うし、そんな中で働いてくださる方にあれこれ頼み事って難しい。。。でもそこで遠慮してたら一石は投じられないんでしょう。あくまで映画用に脚色されているだろうと思って、鹿野さんがわがまま言いまくるシーンを鑑賞しました。

 

途中鹿野さんは後援会で、障害がある子供に障害者が人に助けを借りる勇気」の必要性を説くんですが、これがすごく考えさせられる内容で。

障害があると健常者と同じことはできないし、進行性の病気だと今元気だとしても1ヶ月後はどうだかわからない。

助けを借りる勇気…障害のある子に一番必要なものかもしれませんね。

 

それにしても、介護スタッフやボランティアの方は、鹿野さんをリスペクトしてたんだろうなぁ。。。対等って、お互いがそう思ってないと成り立たないもんね。

障害者とその親の関わり方。親には親の人生を生きて欲しい

この映画は主に鹿野さんと介護スタッフやボランティアの交流を描いているので、鹿野さんの両親にはそこまでスポットは当たってないんですが。

しかし、『障害者の自立』がテーマの作品ですからね。

親元から離れて親の手を借りずに自分の力で生活している鹿野さんは母親が訪ねてきたり、世話を焼こうとすると全力で拒絶するんです。

 

根底には「親には親の人生があるから、自分の人生を生きて欲しい」的な思いがあって。(セリフ回しが違ったらすいません^^;)親が自分の世話だけで人生を終えるようなことにはなって欲しくなかったのです。

綾戸千絵さん演じる母親もその想いをちゃんと理解していて、一歩引いたかかわり方をされていました。

 

「こういう子を持つ親はつい頑張りすぎちゃうのよね」というセリフにはウンウンとうなずいてしまったり。

どうしても【特別な子供】になっちゃうんですよね。

あくちゃんは進行性の病気ではないし、知的障害があるから本人がどう思うかはわかりませんが、障害者の自立のために親の関わり方って大切だと思いました。うちも将来は、あくちゃんに合う生活が送れたらいいなぁ。。。

まとめ:泣ける&考えさせられるけど、ポジティブで元気がでる映画。いろんな方におすすめです◎

さて、ダラダラと感想を書き続けたい気持ちですけども、文字数が増えるばかりなので、この辺でまとめます。

この映画、実際の介護職の方が見たらもしかしたらこんなのキレイ事と思うかもしれませんが、いち障害児親の私にはとってもすんなり受け入れられる映画でした。

鹿野さんはだんだん心臓や呼吸の機能が落ちていって、40過ぎで亡くなったようですが、この人なら人生を謳歌できただろうな~と思えて、重度の障害者だからと言って悲壮感や不幸な感じは一切ありませんでした。

大変そうな場面は多々ありますが、あらゆるピンチもチーム鹿野(鹿野さんとスタッフたち)の前向きな取り組みで乗り越えちゃうので。映画としてはとっても◎

 

 

何となく元気もらえますので、お時間があるときはぜひご覧ください♪

それでは(^^)/

 

 

 

 

 

>ソトス症候群

ソトス症候群

ソトス症候群は1~2万人に1人という発生率の遺伝子疾患で難病指定されています。 特異的な顔貌、発達の遅れ、知的障害が特徴で合併症もありますがどんな症状を持っているかは人それぞれ。身近で情報交換をすることが難しい障がいであるからこそ、全国のソトスちゃんの役に立つサイトになることを願っています。

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